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家事や仕事による手や指の使いすぎ、テニス(バックハンド)などのスポーツによって、肘の外側が痛くなる病気に
「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」があります。
テニスプレーヤーに多いことから別名テニス肘とも呼ばれます。
この疾患は比較的に容易に診断でき、日常生活動作の工夫+治療によって症状は軽減できます。
しかし、痛みがスッキリするまで時間がかかったり、仕事の負荷よっては症状が増悪する場合もあります。
このページでは、「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」の原因や、
治療法、治りにくい理由などを詳しくご説明していきたいと思います。
「上腕骨外側上顆炎」とは?
上腕骨外側上顆炎とは、肘の外側の部分が手の使い過ぎなどによって痛みが起こる病気です。
以下の写真で示した赤色矢印の部分に痛みを覚えます。
痛みの原因となっているのは、上腕骨外側上顆で、筋肉(前腕伸筋群)と骨の付着部(写真の×印の所)です。
原因となっている筋肉(前腕伸筋群)は、長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・尺側手根伸筋・総指伸筋があります。
その中でも、最も痛みの原因となる筋肉は、短橈側手根伸筋といわれています。
4つの筋肉は、指を伸ばしたり、手首を返す動作や、掌を上に向けるように回旋させる作用があります。
スポーツや、お仕事で、このような動作を頻繁にされる方に、多く見られます。
上腕骨外側上顆炎の症状と診断
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上腕骨外側上顆炎の具体的な症状は、手ぬぐいやぞうきんを絞る動作や、重たい荷物を上から持ったりすることで痛みが生じます。
1つ目は、トムセン(Thomsen)テストといい、手首を反す動作に抵抗を加え、肘の痛みが生じるか確認する方法です。
2つ目は、中指伸展テストといい、中指を伸ばす動作に抵抗を加え、肘の痛みを確認します。
これは、短橈側手根伸筋が中指の付け根から、上腕骨外側上顆に付着しており、
最も傷めやすい筋肉に障害が出ていないかを確認しています。
上腕骨外側上顆炎であれば、肘の痛みを訴えることはもちろん、痛くて力が入らないと訴えることが多く見られます。
上腕骨外側上顆炎の治療と対処法
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注射は、ステロイドの局所注射を痛い部位に行い、炎症を押さえます。
エルボーバンドは、仕事中などの肘の痛みを軽減させることができます。
その作用機序は、短橈側手根伸筋の筋腹を圧迫することにより、指や手関節の伸筋腱の滑走を制限し、
筋付着部にかかる力を減らすことです。
痛みがある時や、再発予防をするには、前腕伸筋群のストレッチをすることが大切です。
肘関節を伸ばし、前腕伸筋群を伸ばすように手首を曲げ、少し親指を内側に入れるようにストレッチを行います。
痛い部位が伸ばされている感じの状態で、10~20、秒持続的にストレッチし、それを2~3セット行うようにしてください。
また、日常生活では、以下の図で示した荷物の持ち方に気をつけないといけません。
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前腕伸筋群を強く働かせてしまう、上から物を持つ持ち方(左の図)はできるだけ避け、
下から荷物を持つ(右の図)のような持ち方をしていただくと痛みが出ません。
6ヶ月~1年程度保存療法を試み、それでも症状の改善が見られない場合は、
手術療法の適応となることもあります。
テニス肘という言葉は、日頃よく耳にします。
そのため、比較的簡単に症状も無くなったり、あまり重篤なものではないという認識があると思います。
確かに、手術をせずに治療を行っても、ほとんどの方が症状の軽減が見られます。
しかし、痛みが長期化すると、肘が伸ばせなくなったりしてしまい、手術の適用となることもあります。
肘の外側が痛くなったときは早めにご相談ください。